夏の陽射しがいっそう力強くなり、桃の味わいが深まっていく頃。
早生品種の軽やかなみずみずしさから、甘みと果肉の密度をしっかりと感じられる桃へと、季節は移り変わっていきます。
その盛夏に旬を迎える人気品種のひとつが、なつっこです。
ふっくらとした大きな果実と、鮮やかに赤く色づく果皮。
果肉は乳白色で緻密に締まり、ひと口かじると、しっかりとした甘みが広がります。
酸味は穏やかで、桃の甘さを素直に感じやすいことも、なつっこの魅力です。
硬めの状態では、コリッとした心地よい歯応えを。
少し追熟させると、緻密さを残しながら、なめらかな口当たりを楽しめます。
甘み、果汁、香り、食感。
それぞれのバランスがよく、硬めの桃が好きな方から、甘い桃が好きな方まで、幅広く楽しめる品種です。
この記事では、なつっこの由来、旬の時期、味、食感、香り、見た目、食べ頃、おいしい召し上がり方まで詳しくご紹介します。
なつっこは、甘みと食感のバランスに優れた桃
なつっこは、しっかりとした甘みと、緻密でほどよく硬い果肉を持つ桃です。
果実は比較的大きく育りやすく、ふっくらとした丸みがあります。
果皮は太陽を受けた部分を中心に、濃い紅色へと鮮やかに色づきます。
見た目の華やかさがあり、箱に並べたときにも存在感のある品種です。
果肉は乳白色で、きめが細かく、しっかりと締まっています。
収穫直後や到着直後には、桃らしいみずみずしさとともに、コリッとした歯応えを感じられます。
硬めの果肉ですが、未熟で味が薄いというわけではありません。
果肉がしっかりしている状態でも、なつっこらしい濃い甘みを楽しめます。
酸味が比較的穏やかなため、口に含んだときに甘みが前へ出やすく、食べ終えたあとにもやさしい余韻が残ります。
硬さだけが際立つ桃ではなく、甘み、果汁、香り、歯応えが調和しています。
硬めの桃を初めて食べる方にもおすすめしやすい、バランスのよい品種です。
「川中島白桃」と「あかつき」から生まれた品種
なつっこは、長野県の果樹試験場で育成された桃です。
大玉で、しっかりとした果肉を持つ川中島白桃と、甘みが強く食味のよいあかつきを交配して生まれました。
川中島白桃は、桃シーズン後半を代表する品種のひとつです。
大きな果実と、緻密で硬めの果肉、濃い甘みを持っています。
あかつきは、甘み、酸味、果汁のバランスに優れた、全国的にも人気の高い品種です。
なつっこは、この二つの品種が持つ魅力を受け継いでいます。
果実は比較的大きく、果肉は密で締まりがあります。
甘みは強く、酸味は控えめです。
また、成熟しても果肉がやわらかくなりすぎにくく、ほどよい歯応えを保ちやすいという特徴があります。
親品種の名前をそのまま感じさせるような名称ではありませんが、「なつっこ」という親しみやすい響きは、夏に旬を迎える桃によく似合います。
甘みの強いあかつきと、硬めで食べ応えのある川中島白桃。
両方の個性が重なり合うことで、なつっこならではの甘さと食感が生まれました。
なつっこの味は?酸味が穏やかで、甘みがしっかり
なつっこの味をひと言で表すなら、酸味が穏やかで、甘みをしっかり感じられる桃です。
ひと口かじると、緻密な果肉の中から果汁が広がります。
そのあとを追うように、まろやかで厚みのある甘みが口いっぱいに広がっていきます。
甘みは強いものの、重たく感じるというより、桃らしいみずみずしさと一緒に楽しめる味わいです。
酸味は比較的少なく、甘さを邪魔しません。
酸っぱい果物が苦手な方や、桃の甘みを素直に味わいたい方にもおすすめです。
硬めの状態では、噛むたびに甘みが少しずつ広がります。
果肉がすぐに崩れないため、一口をゆっくり噛みしめて味わえます。
少し追熟させると、果汁と香りが感じやすくなり、甘みの印象もよりまろやかになります。
収穫直後のしっかりとした食感。
追熟後のなめらかな口当たり。
召し上がるタイミングによって、同じ一玉でも、甘みや食感の感じ方が変わります。
ただ甘いだけではなく、果肉の密度と果汁が重なった、満足感のある味わいです。
緻密で締まりのある、ほどよく硬い果肉
なつっこの大きな特徴が、緻密で締まりのある果肉です。
一般的なやわらかい桃と比べると、果肉にしっかりとした歯応えがあります。
到着直後や硬さが残っている状態では、コリッ、サクッとした食感を楽しめます。
ナイフを入れたときにも、果肉の密度と張りが伝わります。
口へ入れると、果肉がすぐに崩れるのではなく、噛むことで少しずつ果汁と甘みが広がります。
硬めではありますが、アマカミのようなパッキパキの硬さとは異なります。
なつっこは、桃らしいなめらかさを持ちながら、しっかりとした歯応えも楽しめる品種です。
常温で少し追熟させると、果肉は徐々にやわらかくなります。
ただし、早生の白鳳系品種のように、一気にとろけるような状態になるというよりも、緻密さを残しながら、口当たりが穏やかに変化していきます。
硬めの状態では、爽快な歯応えを。
少し追熟させると、なめらかさと果汁感を。
好みに合わせて食べ頃を調整しやすいことも、なつっこの魅力です。
甘みとともに広がる、穏やかな桃の香り
なつっこは、桃らしい甘く穏やかな香りを持っています。
食べ頃が近づくにつれて、果実の軸や肩の周辺から、やさしい香りが感じられるようになります。
箱を開けたときに、ふわりと広がる香り。
果皮をむいた瞬間に立ち上がる香り。
果肉を噛んだあと、果汁と一緒に鼻へ抜けていく甘い香り。
華やかさだけが強く主張する香りではありません。
果肉の甘みやみずみずしさと自然に重なり、桃らしい風味をつくっています。
硬めの状態では、香りは比較的すっきりとしています。
常温で少し追熟させると、香りが感じやすくなり、甘みの印象もより豊かになります。
ただし、冷蔵庫で長時間冷やしすぎると、甘みや香りを感じにくくなることがあります。
ほどよく冷やし、冷蔵庫から出して少し温度が戻った頃に召し上がると、なつっこらしい香りを感じやすくなります。
大玉で、鮮やかな紅色に染まる見た目
なつっこは、比較的大きな果実に育ちやすい桃です。
ふっくらとした丸みがあり、手に取ると、しっかりとした重みを感じます。
果皮は、太陽を浴びた部分を中心に、鮮やかな紅色へと色づきます。
地色の乳白色と、濃い赤色の対比が美しく、箱へ並べたときにも華やかな印象があります。
果実の大きさと色づきのよさから、ご自宅用だけでなく、夏の贈り物にも選びやすい品種です。
ただし、桃の色や形は、一玉ずつ異なります。
木の外側で太陽を多く浴びた桃は、赤みが濃くなりやすくなります。
葉の陰で育った桃には、白い地色や淡い黄色が残ることがあります。
色が濃い桃だけが甘く、色の薄い桃は甘くないというわけではありません。
桃のおいしさは、成熟の状態、日照時間、気温、果肉の張り、香りなど、さまざまな要素によってつくられます。
表面に小さな点や、色むらが見られることもあります。
これらは、果実が畑で太陽や風を受けながら育った自然な表情です。
IRIE-FARMでは、果皮の赤さだけで判断せず、一玉ずつ果実の状態を確認しながら収穫しています。
なつっこの旬は7月下旬から8月中旬頃
なつっこは、桃シーズンの中盤に旬を迎える品種です。
山梨県では、例年7月下旬から8月中旬頃にかけて収穫されます。
産地や畑の標高、その年の天候によっては、収穫時期が前後することがあります。
育成地である長野県では、8月中旬から下旬頃に成熟する品種として知られています。
山梨県では長野県よりも気温が高く、桃の成熟が早く進むため、比較的早い時期から収穫が始まります。
あかつきや浅間白桃などに続き、桃の甘みや果肉の密度が、より充実してくる時期に登場します。
ただし、桃の収穫日は、カレンダーだけでは決められません。
春の開花時期、梅雨の雨量、日照時間、気温などによって、成熟の進み方は毎年変わります。
気温の高い年には収穫が早まることがあり、雨や低温が続いた年には、成熟がゆっくり進む場合があります。
同じ木に実ったなつっこでも、枝の位置や日当たりによって、食べ頃になる日は異なります。
木の上部や外側で太陽を多く受けた桃。
葉の陰で、時間をかけて育つ桃。
一玉ごとの張り、色づき、生育状態を確認しながら、収穫するタイミングを見極めます。
なつっこの食べ頃の見分け方
なつっこは、硬めの状態からおいしく召し上がれる桃です。
届いた時点で果肉にしっかりとした硬さがある場合でも、甘みが十分に感じられれば、そのまま食べられます。
硬い桃が好きな方は、到着後、早めにお召し上がりください。
緻密な果肉と、コリッとした歯応えを楽しめます。
もう少しやわらかな口当たりや、豊かな香りを楽しみたい場合は、常温で少し追熟させてください。
直射日光の当たらない、風通しのよい涼しい場所で保存します。
食べ頃が近づくと、果実の軸や肩の周辺から、甘い桃の香りが感じられるようになります。
果実全体を手のひらでやさしく包んだとき、肩の部分にわずかなやわらかさを感じる頃が目安です。
桃の表面を、指先で強く押さないようにしてください。
桃は非常に繊細で、押した部分から傷みや変色が起こる場合があります。
硬さを確認するときは、指先で押さず、手のひらで全体を包むように扱います。
なつっこは、成熟しても果肉がやわらかくなりすぎにくい傾向があります。
そのため、香りや果実の張りも合わせて確認することが大切です。
夏場は室温が高く、熟成が早く進むことがあります。
到着後は毎日状態を確認し、食べ頃を逃さないよう、早めにお召し上がりください。
なつっこのおいしい召し上がり方
なつっこは、まず何も加えず、そのまま味わうのがおすすめです。
硬めの状態では、くし形に切ると、緻密な果肉と歯応えを感じやすくなります。
薄めに切ると、サクッとした軽快な食感が際立ちます。
少し追熟させたなつっこは、果汁と甘みが広がりやすくなり、なめらかな口当たりを楽しめます。
桃は、長時間冷蔵庫へ入れておくと、甘みや香りを感じにくくなる場合があります。
常温でお好みの食べ頃を迎えたあと、召し上がる2〜3時間ほど前に冷蔵庫へ入れてください。
果肉がほどよく冷え、なつっこのしっかりとした甘みと果汁を、心地よく味わえます。
冷蔵庫から取り出した直後よりも、数分置いて少し温度が戻った頃の方が、桃の香りを感じやすくなります。
桃の果皮の近くには、香りや甘みを感じやすい部分があります。
流水で表面をやさしく洗い、産毛を落とせば、皮ごと召し上がることもできます。
皮の食感が気になる場合は、果皮をむいてお召し上がりください。
そのまま食べるほか、ヨーグルト、アイスクリーム、生ハム、モッツァレラチーズ、サラダなどともよく合います。
硬めのなつっこを薄く切ってサラダに加えると、桃の甘みと爽快な食感がアクセントになります。
ただし、最初の一玉は、ぜひ桃だけで味わってみてください。
なつっこは、こんな方におすすめです
- 甘みのしっかりした桃が好きな方
- 酸味の穏やかな桃を選びたい方
- やわらかすぎない桃が好きな方
- コリッとした歯応えを楽しみたい方
- 大玉で食べ応えのある桃を選びたい方
- 硬めとやわらかめ、両方の食感を楽しみたい方
- あかつきや川中島白桃が好きな方
- 夏の贈り物に華やかな桃を選びたい方
なつっこは、ただ硬いだけの桃ではありません。
緻密な果肉、しっかりとした甘み、穏やかな酸味、豊かな果汁。
桃のおいしさを構成する要素が、バランスよく重なっています。
硬めの状態では、果肉を噛みしめる爽快感を。
少し追熟させると、なめらかな口当たりと、広がる香りを。
お好みの食べ頃で、なつっこならではの味わいをお楽しみください。
あかつきとの違い
あかつきは、なつっこの親品種のひとつです。
果肉は緻密で、甘みと酸味のバランスに優れ、豊かな果汁を楽しめます。
硬めの状態でも食べられますが、追熟すると、よりなめらかでジューシーな食感へ変化します。
なつっこも、あかつきから、しっかりとした甘みと良好な食味を受け継いでいます。
一方、なつっこの方が、果肉により強い締まりを感じやすく、成熟しても硬さを保ちやすい傾向があります。
甘みと酸味、果汁の調和を楽しむあかつき。
酸味が穏やかで、濃い甘みと、ほどよい硬さを楽しむなつっこ。
どちらも甘みのある人気品種ですが、なつっこは、より歯応えを重視したい方におすすめです。
川中島白桃との違い
川中島白桃は、なつっこのもうひとつの親品種です。
桃シーズンの後半に旬を迎える、大玉で硬めの果肉を持つ白桃です。
果肉は緻密で、しっかりとした歯応えがあり、晩生桃らしい濃い甘みを楽しめます。
なつっこは、川中島白桃の大きさや、締まりのある果肉を受け継いでいます。
一方、なつっこは川中島白桃よりも早い時期に旬を迎えます。
酸味が穏やかで、甘みを感じやすく、果肉には硬さがありながら、なめらかさも備えています。
晩生桃らしい力強い歯応えと、濃厚な味わいを楽しむ川中島白桃。
ほどよい硬さと、親しみやすい強い甘みを楽しむなつっこ。
硬めの桃が好きな方は、旬の時期を追いながら食べ比べるのもおすすめです。
浅間白桃との違い
浅間白桃は、山梨県を代表する、大玉で緻密な果肉を持つ桃です。
しっかりとした甘み、豊かな果汁、芳醇な香りがあり、盛夏らしい充実した味わいを楽しめます。
収穫直後は果肉に硬さがありますが、追熟させることで、緻密さを残しながら、なめらかな食感へと変化していきます。
なつっこも、比較的大玉で、緻密な果肉と強い甘みを持っています。
なつっこの方が酸味は穏やかで、硬めの状態でも甘みを感じやすい傾向があります。
豊かな果汁、芳醇な香り、白桃らしい厚みのある味わいを楽しむ浅間白桃。
ほどよい歯応えと、酸味の少ない、はっきりとした甘みを楽しむなつっこ。
どちらも盛夏に味わいたい大玉の桃ですが、香りと果汁を重視するか、甘みと歯応えを重視するかによって、好みが分かれます。
アマカミとの違い
アマカミは、IRIE-FARMが育てる独自品種です。
最大の特徴は、桃とは思えないほどパッキパキに硬い果肉と、その硬さを裏切る強い甘みです。
やわらかくなるまで待つのではなく、硬い状態そのものを食べ頃として楽しみます。
なつっこも硬めの果肉を持つ桃ですが、アマカミほど極端に硬いわけではありません。
なつっこには、しっかりとした歯応えとともに、桃らしいなめらかさがあります。
追熟させることで、果肉の硬さを少し落ち着かせることもできます。
パキッ、カリッとした鮮烈な硬さと、強い甘みを楽しむアマカミ。
コリッとした心地よい歯応えと、まろやかな甘みを楽しむなつっこ。
同じ硬めの桃でも、果肉の硬さと食べ頃の考え方には、大きな違いがあります。
山梨県笛吹市から、旬を見極めてお届けします
IRIE-FARMのある山梨県笛吹市は、全国有数の桃の産地です。
豊富な日照、昼夜の寒暖差、水はけのよい土壌の中で、さまざまな品種の桃が育てられています。
なつっこは、夏の強い陽射しを受けながら、果肉の中へ甘みを蓄えていきます。
同じ品種、同じ木に実っている桃でも、一玉ずつ成熟する速度は異なります。
木の上部で太陽を多く受けた桃。
外側の枝で、鮮やかに色づく桃。
葉の陰で、ゆっくりと甘みを蓄える桃。
枝の位置や日照によって、色づきや収穫に適した日は変わります。
IRIE-FARMでは、予定された日付だけで一律に収穫するのではなく、畑で果実の色づき、張り、香り、硬さ、生育状態を確認しています。
なつっこらしい果肉の締まりを保ちながら、甘みが十分に蓄えられたタイミングを見極めます。
硬いから、まだ熟していない。
やわらかいから、必ず甘い。
桃のおいしさは、硬さだけでは判断できません。
一玉ずつ、果実の張り、色づき、香り、生育の進み方を確認し、収穫に適した桃から順に収穫します。
収穫した桃は、一玉ずつ状態を確かめ、その日のうちに発送の準備を進めます。
桃は自然の中で育つ果物です。
その年の気温、雨、日照時間によって、収穫量や大きさ、甘み、食感には違いが生まれます。
毎年まったく同じではないからこそ、その年、その一玉にしかない味わいがあります。
緻密でほどよく硬い果肉と、酸味の穏やかな、しっかりとした甘み。
IRIE-FARMがお届けする、旬のなつっこをお楽しみください。
なつっこの特徴まとめ
- 読み方
- なつっこ
- 旬の時期
- 山梨県では例年7月下旬〜8月中旬頃
- 品種区分
- 中生の白桃
- 生まれた場所
- 長野県
- 交配
- 川中島白桃とあかつきの交配
- 果実の大きさ
- 比較的大玉で、ふっくらとした形
- 果皮
- 太陽を受けた部分を中心に、鮮やかな紅色へ色づきやすい
- 果肉
- 乳白色で、きめが細かく緻密に締まっている
- 食感
- 硬めではコリッとした歯応えがあり、追熟すると緻密さを残しながらなめらかになる
- 味わい
- 酸味が穏やかで、しっかりとした甘みを感じやすい
- 香り
- 甘みとともに広がる、穏やかで桃らしい香り
- 食べ頃
- 硬めが好きな方は到着後早めに。なめらかな食感が好きな方は、常温で少し追熟させる
- おすすめ
- 甘い桃が好きな方、酸味の少ない桃を選びたい方、硬めの果肉や食べ応えのある大玉桃を楽しみたい方
※旬の時期、果実の大きさ、色づき、食感、甘み、香りは、その年の天候、生育状況、収穫時の熟度によって異なります。
IRIE-FARMでは、旬を迎えた品種の中から、その時期に状態のよい桃を選んでお届けしています。